遺族年金の計算方法 | 年金生活の高齢者夫婦に相続が発生したら

(Jimmyblog-No.0083)

いざという時のその後の年金額は?

遺族年金という言葉は聞いたことがあっても、その計算方法や自分の場合の金額を把握している方は少ないように思われます。ざっくり言うと、遺族厚生年金は手厚いが、高齢者夫婦の場合は遺族基礎年金は関係ない(支給は無し)となります。

遺族厚生年金とは

会社員や公務員だった人が老齢厚生年金を受給していて亡くなった場合に、家族が受け取れるのが「遺族厚生年金」です。

遺族基礎年金とは

自営業者などだった人は老齢基礎年金(いわゆる国民年金)だけの受給となり、亡くなった場合の保障である「遺族基礎年金」は、ごく限られた人だけが受け取れます。限られた人とは、未成年の子がいる配偶者or未成年の子などで、支給期間も子が成人するまでの間とされています。

手厚い遺族厚生年金の計算方法

たとえば老齢厚生年金20万円/月と老齢基礎年金6.5万円/月を受給していた夫(82才)が亡くなった時、同じく年金受給者(老齢基礎年金は6.5万円/月)の妻(80才)のその後の年金はどうなるのでしょうか?

事例①妻が専業主婦だった場合

遺族厚生年金の額は、夫の老齢厚生年金の3/4(20万円/月×3/4=15万円/月)です。
よって今後の妻の年金額は、自分の老齢基礎年金6.5万円/月+遺族厚生年金15万円/月=21.5万円/月となります。
年収258万円となりますが、遺族年金は所得税非課税、自分の年金(6.5万円/月×12ヶ月=60万円/年)も110万円の枠内なので、所得税はゼロです。

事例②妻も会社員だった場合

妻自身の老齢厚生年金が16万円/月だとします。その場合、3つの金額をまず比較します。
夫の老齢厚生年金の3/4・・・20万円×3/4=15万円
(夫の老齢厚生年金+妻の老齢厚生年金)の1/2・・(20万円+16万円)×1/2=18万円
妻の老齢厚生年金・・・16万円
この中で一番多い金額は❷の18万円。なので、この18万円から妻自身の年金16万円を引いた金額が遺族厚生年金の額となります。つまり18万円-16万円=2万円/月です。
今後の妻の年金額は、自分の老齢基礎年金6.5万円/月+自分の老齢厚生年金16万円/月+遺族厚生年金2万円/月=24.5万円/月となります。
事例①と異なる点は、所得税ゼロとはいえない事です。非課税なのは遺族年金だけなので、他の自分自身の年金(老齢基礎と老齢厚生年金)6.5万円+16万円=22.5万円/月は課税対象のままです。22.5万円/月×12ヶ月=270万円/年の年金収入となり、270万円-110万円=160万円が公的年金等に係る雑所得となります。

亡くなった人が老齢基礎年金だけの受給だった場合

年金生活の高齢者夫婦という設定の場合には、遺族基礎年金の要件には原則該当せず、遺族基礎年金の支給はありません。よって残された配偶者のその後の年金は、自分自身の年金のみとなります。





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