最低賃金より安くない? | 月給を自分でチェックする方法

(Jimmyblog-No.0109)

そもそも最低賃金って何?

最低賃金とは、国の定める賃金(給与)の最低ラインで、単位は時給で考えます。原則、都道府県ごとに定められ、毎年7月頃に発表され、その年の10月から新しい基準が適用されます。令和5年6月現在(令和4年10月~令和5年9月)の愛媛県の最低賃金は853円です。

正社員、パート、アルバイト等にかかわらず、また労使の合意があったとしても、このライン以上の賃金を支払っていない会社等は最低賃金法違反となり、50万円以下の罰金が科されることがあります。

自己チェックは時給に直して比較

パート、アルバイト等で時給制なら、そのまま比較すれば自分の時給が安すぎないかチェックできます。日給であれば、その額を1日の所定労働時間(その会社等で1日何時間働くことになっているか)で割って時給に換算すればわかります。

では、月給の場合はどうすればよいのでしょうか?月給を時給に換算する・・・わかるようなわからないような感じですよね。

月給の場合は、月給のうち決められたものだけを合計し、それを『月平均所定労働時間』で割って時給に換算します。決められたものとは?そして月平均所定労働時間とは、具体的に何のことなのでしょうか。

月給のうち合計するものは・・

給与明細には、基本給以外にもいろいろな手当が記載されていることがあります。すべて給与ではあるのですが、最低賃金と比較する時には、毎月支払われる基本的な賃金だけが対象となります。具体的には“合計しないもの”が決められているので注意が必要です。

合計しないもの・・・臨時的な賃金(報奨金・結婚手当等)、残業手当等、皆勤手当、通勤手当、家族手当、毎月支払でない賃金(賞与等)

よって、合計するものは何?かと言えば、基本給と、たとえば職務手当、住宅手当等となります。

月平均所定労働時間とは

会社等で決められた“年に何日働くか”が「年所定労働日数」です。そして同じくその会社等で決められた“1日に何時間働くか”が「所定労働時間」です。よって、(年所定労働日数×所定労働時間)÷12で『月平均所定労働時間』が算出できます。

「所定労働時間」は毎日何時に出勤して定時の業務終了は何時なのかや休憩時間から、自分ですぐわかると思います。「年所定労働日数」がちょっと?かもしれませんが、これは会社等のカレンダーどおりでカウントして下さい(365日から会社等の休日を引くなど)。

事例Q&A

Q:月給22万円(内訳:基本給15万円、通勤手当1万円、皆勤手当1万円、住宅手当1万円、残業手当4万円)。年所定労働日数244日、所定労働時間7.5時間の場合、最低賃金法は大丈夫でしょうか?

A:問題ありません。
まず、月給のうち合計するのは基本給と住宅手当なので15万円+1万円=16万円・・①
月平均所定労働時間は(244日×7.5時間)÷12=152.5時間・・②
①/②=1,049円>853円なので、勤務地が愛媛県であれば最低賃金を下回っておらず適法という判定になります。
仮に勤務地が東京であれば、東京の最低賃金は1,072円なので、問題があります(安すぎます)。

安すぎたとき

最低賃金は毎年上昇しており、会社等は違反に気付いていないことも多いようです。

悪意はなくとも、安すぎるなら未払賃金があるということです。そしてこれからも未払が増え続けてしまうことになります。何らかの方法で会社等に気付いてもらうべきです。個人での対処は無理・・という時は、社労士or弁護士等に相談するとよいでしょう。






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